「相撲がテーマの映画って、ちょっと地味そう」
「昔の邦画って、今観るとノリが古いんじゃない?」
そんな先入観を、気持ちよく裏切ってくれるのが『シコふんじゃった。』です。
この映画は、周防正行監督・脚本による1991年製作の青春コメディで、
本木雅弘さんの主演作としても知られる一本。
大学卒業のため、相撲部の大会に出る羽目になったダメ学生が、
最初はイヤイヤだったのに、気づけば土俵の世界に引きずり込まれていく――
その流れがとにかく上手いです。
軽やかなテンポで見せながら、ちゃんと胸が熱くなる“王道の部活映画”として
今も評価されています。
結論から言うと本作は、
“相撲なんて興味ない”人ほどハマる、青春スポーツコメディの快作です。
Contents
映画予告編
映画の基本情報(公開年・監督・キャスト)
・公開年:1991年製作/1992年1月15日公開。
・監督・脚本:周防正行。
・主題歌/挿入歌:おおたか静流。
・主なキャスト
・本木雅弘(山本秋平)
・清水美砂(川村夏子)
・竹中直人(青木富夫)
・水島かおり(朝井知恵)
・田口浩正(田中豊作)
・宝井誠明(山本春雄)
・梅本律子(間宮正子)
あらすじ
大学4年生の秋平は、父親のコネで就職も決まり、
残りの学生生活を気楽に過ごしていた。
ところが、授業に一度も出ていなかったことがバレて卒業の危機に。
指導教授の穴山から出された条件は、廃部寸前の相撲部の試合に出ることだった。
仕方なく入部した秋平を待っていたのは、汗だくの稽古、クセの強い部員たち、
そして想像以上に不器用で真っすぐな相撲の世界。
最初は完全にやる気ゼロだった秋平が、少しずつ土俵に本気になっていく姿が、
この映画のいちばん気持ちいいところです。
見どころ・魅力
見どころ①:相撲を知らなくても、めちゃくちゃ面白い
本作の強みはここです。
ルールを細かく知らなくても大丈夫。
最初は主人公自身が相撲に興味ゼロなので、観客も同じ目線で入れます。
見どころ②:本木雅弘の“最初はダメ男”感が絶妙
秋平はスポ根主人公ではありません。
むしろ逃げ腰で、軽くて、自分のことしか考えていない。
でも、だからこそ変化が映えるんです。
見どころ③:竹中直人が出ると空気が一変する
周防作品らしい“ちょっと変で、でも妙に愛しい人たち”の代表格。
相撲部の面々がちゃんとキャラ立ちしているから、
ただの部活映画で終わりません。
見どころ④:笑えるのに、最後はちゃんと熱い
周防監督は、地味に見える題材をコメディで開いて、
最後にきっちり感動へつなげるのが本当にうまい。
本作にも、その後の代表作につながる手触りがあります。
見どころ⑤:90年代邦画の空気が心地いい
時代の軽さ、学生のノリ、部室の空気。
今観ると少し懐かしいのに、作品そのものは古びて見えません。
そこが名作っぽい。
映画のトリビア・製作の裏話
・本作は日本アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、
助演男優賞などを受賞した評価の高い作品です。
・ブルーリボン賞でも本木雅弘さんが主演男優賞を受賞しており、
当時の評価の高さが分かります。
・2022年には本作の30年後を舞台にしたドラマ版『シコふんじゃった!』も制作され、
作品の影響力の長さがうかがえます。
テーマ・メッセージの解説
この映画のテーマは、すごくシンプルです。
“最初はどうでもよかったことに、本気になる瞬間”を描いている。
秋平は別に相撲が好きなわけじゃない。
でも、逃げていた場所で、変な仲間たちとぶつかりながら、
自分の中に少しずつ火がついていく。
そこが青春映画としてすごくいいんです。
もうひとつ大きいのは、見た目や勝ち負けだけではない相撲の魅力。
泥くさくて、情けなくて、でも真剣。
その格好悪さごと肯定してくれるから、観終わると不思議と元気が出ます。
評価
・総合:★★★★☆(4.4/5 くらいの満足感)
・スリル:★★★☆☆
・分かりやすさ:★★★★★
・感動:★★★★☆
・笑い:★★★★☆
・もう一回観たい度:★★★★☆
※一口コメント:
相撲に興味がなくても大丈夫。
青春コメディとしてかなり完成度が高く、観ると妙に元気が出る一本です。
筆者レビュー
良かった点3つ
1)主人公の成長が自然
いきなり熱血にならないのがいい。
少しずつ土俵に引っ張られていく感じがリアルです。
2)部員たちが全員ちゃんと面白い
クセが強いのに、ただのギャグ要員じゃない。
このバランスが絶妙でした。
3)笑いと感動の配分がうまい
無理やり泣かせない。なのに最後はちゃんと胸が熱くなる。
ここはさすが周防正行です。
気になった点2つ
1)今の感覚だと少し古く見えるノリはあります。
ただ、それも含めて作品の味です。
2)派手なスポーツ映画を期待すると地味かもしれません。
でも、この地味さが逆に効いています。
どんな人にオススメ?
・青春スポーツ映画が好きな人
・周防正行作品をさかのぼりたい人
・本木雅弘の若い頃の代表作を観たい人
・笑えて、最後に少し熱くなりたい人
まとめ
『シコふんじゃった。(1991年)』は、
卒業のために相撲部へ入ったダメ学生が、土俵の上で少しずつ変わっていく
青春コメディの名作です。
題材はちょっと地味。
でも、観るとちゃんと笑えて、最後はしっかり熱い。
そして「なんかもう一回観たいな」と思わせる、不思議な後味があります。
予告編を見て、少しでも「これ面白そうかも」と感じたら、かなり当たりです。
相撲映画というより、人生のちょっと情けない時期を応援してくれる
映画としておすすめしたい一本です。
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