80年代ホラーの金字塔が再び動き出す――悪夢の続編
1982年に公開された名作ホラー『ポルターガイスト』。
その正統続編として制作された『ポルターガイスト2』(原題:Poltergeist II: The Other Side)は、
前作の恐怖と家族ドラマの魅力をそのまま引き継ぎつつ、
“最恐の悪役”ケイン牧師の登場で、さらに深いホラー体験へと進化した作品です。
Contents
スタッフ・キャスト紹介
監督:ブライアン・ギブソン
脚本:マーク・ヴィクター、マイケル・グレイス
▼出演者
クレイグ・T・ネルソン(スティーヴ・フリーリング)
ジョベス・ウィリアムズ(ダイアン)
ヘザー・オルーク(キャロル・アン)
オリヴァー・ロビンス(ロビー)
ゼルダ・ルビンスタイン(タンジーナ)
ウィル・サンプソン(テイラー)
ジュリアン・ベック(ヘンリー・ケイン牧師)
特にジュリアン・ベック演じるケイン牧師は、ホラー史上“最も不気味な悪役のひとり”として
今も語り継がれています。
映画のあらすじ
前作で家を破壊されながらも悪霊に勝利したフリーリング一家。
彼らは祖母ジェスの家に身を寄せ、ようやく平和な時間を取り戻しつつありました。
しかしある日、キャロル・アンの周囲で不可解な現象が再び発生し始める。
・風もないのに動く家具
・祖母の遺品に反応する謎の力
・キャロル・アンだけに聞こえる“声”
やがて、家族の前に謎の老人――ケイン牧師が現れます。
痩せ細り、ニタリと笑う異様な姿。
彼は穏やかに言葉をかけてくるが、どこかおかしい。
その正体は、かつて地下に作られた“終末カルト教団のリーダー”。
死後もカルトの信者を率いてキャロル・アンを狙い、家族に執拗に取り憑こうとしていたのです。
家族は前作からの霊媒師タンジーナ、そして先住民の戦士テイラーと協力し、
キャロル・アンを救うため、ふたたび悪霊との戦いに挑む――。
前作の直接の続きとして楽しめる、王道かつパワーアップしたストーリーです。
映画の見どころ
ケイン牧師の“存在そのものが恐怖”
『ポルターガイスト2』最大の魅力は、何と言ってもケイン牧師の強烈な不気味さ。
・異様なやせ細り
・虚ろな目
・優しげな声なのに背筋が凍る言葉
・強烈なカリスマ性
演じたジュリアン・ベックは末期がんで、撮影時すでに非常に痩せていました。
そのリアルな“影のような存在感”が、唯一無二の恐怖を生み出しています。
このキャラクターは、映画ファンの間で“ホラー史に残る最恐ヴィラン”とまで言われています。
家族の絆がより深く描かれる
前作同様、本作は単なる幽霊ホラーではありません。
・キャロル・アンを守るため全力で戦うスティーヴ
・霊の存在に怯えながらも立ち向かう母ダイアン
・兄ロビーが妹を守ろうとする姿
単なる恐怖の連続ではなく、家族ドラマとしての厚みがあるため、
物語そのものに感情移入しやすい作品です。
“スピルバーグ・マジック”を継承したVFXの進化
前作ほどではないものの、本作のVFXも1986年とは思えないほどのクオリティ。
・霊界とのつながりを示す光のエフェクト
・キャロル・アンを狙う実体化する霊
・不気味な空間が広がる“もうひとつの世界”
前作に関わったスピルバーグの影響が随所に見られ、
80年代独特の実写と特殊効果の組み合わせが“温かみのあるホラー”を演出しています。
個人的な感想
『ポルターガイスト2』を改めて観ると、
「前作の正統続編として非常にバランスの良い作品」
という印象が強まりました。
特にケイン牧師の存在感は圧倒的で、彼が出るたびに画面の空気が変わります。
ホラー映画において、“キャラクターそのものがホラー”というレベルは本当に希少。
キャロル・アンをめぐるスピリチュアルな物語、
家族が力を合わせて悪霊に立ち向かうヒューマンドラマ、
1980年代ホラーの持つノスタルジックな映像表現も加わり、
“怖いのに温かい”という独特の味わいがあります。
前作ファンはもちろん、本作だけでも十分楽しめる内容になっています。
まとめ
『ポルターガイスト2』は、前作の魅力を引き継ぎつつ、
ケイン牧師という最強の敵の登場で“恐怖の質を変えてきた”続編です。
・家族ドラマ × オカルトホラー
・実力派キャストによる説得力ある演技
・80年代特有の手作り感あるVFX
・強烈に記憶に残る悪役ケイン牧師
ホラーとしての完成度はもちろん、
“物語の続編としての正しい進化”を遂げた一作です。
80年代ホラーを語るなら、この映画は絶対に外せません。
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