2004年に公開された香港映画『Mr.BOO!花嫁の父』(原題:「煎釀三寶」)は、
マイケル・ホイが主演を務めた感動系ハートフル・コメディです。
コメディ俳優として長く愛されてきたマイケル・ホイが、「父親の愛情」という
普遍的なテーマに挑戦した本作は、笑いあり、涙あり、胸にジーンとくる物語に仕上がっています。
Contents
主なスタッフとキャスト
監督:ジョー・マ
脚本:ジョー・マ、マット・チョウ
マイケル・ホイ … フェイ(小説家/父親)
ラウ・チンワン … フランキー(ソフィーの恋人、会社の社長)
ミリアム・ヨン … ソフィー(フェイの娘)
あらすじ
スランプ中のベテラン武侠小説家フェイ(マイケル・ホイ)は、かつての栄光を失い、
自宅でのんびりと日々を過ごしていた。
そんな彼にとって唯一の生きがいは、最愛の娘・ソフィー(ミリアム・ヨン)の存在。
ソフィーは明るく自立したキャリアウーマンで、広告代理店に勤めている。
ところがある日、ソフィーが交際している相手が、広告代理店の社長で
プレイボーイとして有名なフランキー(ラウ・チンワン)だと知ったフェイは激怒。
娘をそんな男にやれるかと、結婚を阻止しようと奔走し始める。
ソフィーとフランキーは真剣に交際しており、結婚の準備まで進んでいる。
だが、父親フェイの「過保護すぎる愛」は暴走気味。
フェイは二人の仲を裂こうとあの手この手を使い、
さらには自らの小説のキャラクターになりきって妄想劇を繰り広げる始末。
彼の行動は時に暴走し、ソフィーの信頼を失いかけるが、
父としての純粋な想いはやがて娘の心にも届いていく。
そして、フェイ自身も娘の幸せを願う気持ちと、自らの寂しさや未練との間で揺れ動いていくのだった。
映画の見どころ
マイケル・ホイの父親役としての新境地
これまでコメディアンとして数々の作品で観客を笑わせてきたマイケル・ホイが、
父親役という少し切ないポジションに挑戦。
過保護で空回りする姿がユーモラスでありながらも、どこか共感してしまう。
観客の心にじわっと沁みる演技が光ります。
香港社会を背景にしたリアルな親子関係
現代の香港社会、世代間のギャップや価値観の違いが浮き彫りにされる本作。
若者の恋愛観と、古い世代の価値観とのズレが、父と娘の衝突の原因となっており、
単なる笑い話に終わらず、観る者に深い余韻を残します。
ラウ・チンワン&ミリアム・ヨンの安定感
プレイボーイかと思いきや意外と誠実で優しいフランキー役のラウ・チンワン、
気丈でしっかり者の娘ソフィー役を演じるミリアム・ヨン。
二人の演技が映画に奥行きを持たせ、親子ドラマとしての完成度を高めています。
笑いと涙のバランスが絶妙
決して重すぎない物語のトーンが魅力の一つ。
フェイのドタバタ劇や、妄想と現実が交錯する演出など、マイケル・ホイらしい
コメディ要素がふんだんに盛り込まれています。
それでいて、最後にはほろりとさせられる演出が用意されており、
観終わった後にはあたたかい気持ちになれるはずです。
個人的な感想
『Mr.BOO!花嫁の父』は、マイケル・ホイの人間味あふれる演技が光る
傑作コメディだと感じました。
親としての葛藤や未練、そして「娘を守りたい」という純粋な気持ちが、時に滑稽で、
時に切なく描かれています。
ホイの演技には、笑いの中に哀愁があり、観客として心を掴まれてしまいます。
とくに、娘との対話シーンや、プレイボーイと思われたフランキーとの対決シーンは
見応えがあり、ベテラン俳優たちの力量が発揮されています。
また、香港映画らしいテンポ感のある展開も魅力の一つ。
約100分というコンパクトな尺の中に、親子愛、恋愛、人生の機微がぎゅっと詰まっていて、
笑って泣ける作品に仕上がっています。
まとめ
『Mr.BOO!花嫁の父』は、マイケル・ホイが「笑い」と「家族愛」を融合させた
珠玉のハートフル・コメディです。
過保護だけど憎めない父親、彼に翻弄される娘、そして意外にも誠実な恋人……
それぞれの立場がしっかり描かれており、家族とは何かを考えさせられる温かい作品です。
香港コメディの名作を観たい人はもちろん、父と娘の絆を描いた物語が好きな方にも、
自信をもっておすすめできる一本。
ぜひ映画予告編とともに、ホイ一家の笑って泣ける物語を味わってみてください。
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