日本映画 ヒューマンドラマ

Perfect Days(2023年) 映画予告編付き

2023年に公開された映画『Perfect Days』は、ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース監督と

日本がタッグを組んだ注目作。

舞台は東京・渋谷。主人公は、都会の喧騒の中で静かに生きるトイレ清掃員・平山。

役所広司がその繊細な男の内面を深く表現し、第76回カンヌ国際映画祭で主演男優賞を

受賞したことでも話題となりました。

主なスタッフとキャスト

監督:ヴィム・ヴェンダース

『ベルリン・天使の詩』『パリ、テキサス』などで知られるドイツの巨匠。

日本文化や都市風景に対する愛情と鋭い観察眼が、この作品にも強く反映されています。

役所広司(平山)

無口で規則正しい日々を生きる男。

表情や目線だけで語るその演技は圧巻で、まさに世界に誇れる俳優の姿がここに。

柄本時生(同僚の若者)

平山の無口さとは対照的に、自由で奔放な若者像を演じる。

日常に揺さぶりを与える存在として重要なポジションを担う。

中野有紗(姪)

思春期の感情を抱えた少女として登場。平山の静かな世界に予期せぬ波紋をもたらす。

アオイヤマダ(謎の女性)

アートな存在感とパフォーマンスが光るキャラクターで、言葉にできない“空気”を作り出す。

麻生祐未、石川さゆり、田中泯

それぞれが短い登場ながら深い印象を残す。

特に田中泯の佇まいは、作品全体の空気感と絶妙に調和しています。

映画の見どころ

究極の“静”の演技、役所広司の真骨頂

    言葉少なに日々を繰り返す主人公・平山。

    そのルーティンを丁寧に、静かに描いていく本作は、一見地味にも思えますが、

    観る者の心に深く沁み入る何かがあります。

    役所広司の演技はまさに“間”と“沈黙”の芸術。

    その微細な表情の変化、呼吸、歩き方までが物語を語ります。

    渋谷のトイレから見える世界

      舞台となるのは、東京・渋谷に点在する公共トイレ。

      実在の「THE TOKYO TOILET」プロジェクトが背景となっており、

      建築美も見どころのひとつ。

      まるで美術館のような空間で繰り広げられる、人間模様と風景との対比が秀逸です。

      音楽のセンスが抜群

        主人公が愛用するカセットテープから流れる往年の洋楽(ルー・リード、ニーナ・シモン、

        パティ・スミスなど)。

        これらの楽曲が映像と絶妙にマッチし、セリフの代わりに心情を語るかのよう。

        とくにラストに近づくにつれて音楽の力が増していくのが印象的です。

        小さな揺らぎが心を動かす

          一見変わらぬ日々のなかに、ほんのわずかな“揺らぎ”が差し込まれることで、

          観客は人生の奥深さを感じ取ります。

          姪の訪問、過去の記憶、木漏れ日の美しさ。

          そのすべてが静かに響く演出は、まさにヴェンダースの真骨頂です。

          個人的な感想

          『Perfect Days』を観たとき、まず最初に感じたのは「これほどまでに“日常”を愛おしく

          撮った映画があっただろうか」ということでした。

          物語の大きな展開はほとんどありません。どちらかといえば“動かない映画”なのに、

          観終わったあとには、なぜか涙が出そうになる。

          役所広司さん演じる平山の姿には、現代人が忘れがちな“足るを知る”生き方の

          美しさがありました。

          決して多くを語らず、派手な行動もしないけれど、その生き方が誠実で、凛としていて、

          何よりも美しい。

          また、渋谷という都会のど真ん中で、木漏れ日を大切にするような暮らしをしている点も印象的。

          自然とのささやかな共存、人とのちょっとした触れ合いに、これほどまでに深い意味が

          あるのかと、思わず見つめ直してしまいました。

          ラストにかけての演出は、まるで音楽と詩が融合したような映像詩のよう。

          余韻がいつまでも心に残る、“日常礼賛”の傑作です。

          まとめ

          『Perfect Days(2023年)』は、物語で語るというよりも、

          “感覚”と“視点”で語る映画。

          静けさの中にある豊かさ、毎日を丁寧に生きることの尊さが、

          スクリーンいっぱいに広がります。

          ✅ ヴィム・ヴェンダースが描く東京の美

          ✅ 役所広司の静かなる圧倒的存在感

          ✅ 洋楽と映像の融合が生む詩的体験

          ✅ 変わらないようで変わっていく毎日の奇跡

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