1990年に公開された香港映画『フロント・ページ』（原題：新半斤八兩）は、
マイケル・ホイ、サミュエル・ホイ、リッキー・ホイのホイ三兄弟が再び共演した痛快コメディ。
ジャーナリズムの世界を舞台に、時代遅れの三流週刊誌が巻き起こすドタバタ劇が描かれます。
監督はフィリップ・チャン、脚本はチャンとマイケル・ホイが共同で担当。
社会風刺と人情ドラマ、そしてアクション要素が絶妙にブレンドされた一作です。
Contents
主なスタッフとキャスト
監督：フィリップ・チャン
脚本：マイケル・ホイ、フィリップ・チャン
マイケル・ホイ…編集長ホイ
ジャーナリスト精神にこだわるが、実態は経営難の三流雑誌の編集長。
サミュエル・ホイ…新米記者マッド・ビル
元武道インストラクター。体力だけは自信満々のドタバタ新人記者。
リッキー・ホイ…記者フライ
古株記者。ツッコミ役だがどこか抜けていて愛されキャラ。
キャサリン・ハン…人気女優サンディ
ゴシップのターゲットにされるも、実は繊細な思いやりを持つ人物。
テレサ・モウ…広告代理店営業ホー
雑誌存続の鍵を握る広告主。現実的な視点からホイ編集長にアドバイスを送る。
あらすじ
ホイ（マイケル・ホイ）が経営する写真週刊誌『週刊内幕』は、時代遅れで部数も低迷、
経営は火の車。
正義感あふれる編集長を自称するホイだが、理想と現実のギャップに悩まされている。
ある日、元インストラクターのビル（サミュエル・ホイ）が入社希望でやって来る。
はじめは門前払いされるも、突如襲ってきた抗議団体を軽々と追い払ったことで一転採用。
力だけが取り柄の彼を連れて、古株のフライ（リッキー・ホイ）とともに雑誌の立て直しを図ることに。
ビルのアイデアで心霊スポットをネタにした特集記事を捏造、しかしこれは失敗に終わる。
ホイは次なるターゲットとして、美貌の女優サンディ（キャサリン・ハン）に目を付ける。
彼女のゴシップ写真を手に入れるべく、ビルとフライはありとあらゆる手段を使い張り込みを行う。
サンディの結婚を目前に、ついにスクープをゲットするが、その過程で彼女の人間味と
苦悩に触れ、ビルの中に葛藤が芽生える。
決定的な写真を手放そうとする彼の前に現れたのは、サンディの宝石を狙う強盗団だった……！
映画の見どころ
ホイ三兄弟の掛け合い
本作最大の魅力は、何と言ってもホイ三兄弟の絶妙なコンビネーション。
それぞれのキャラが活きたテンポの良い掛け合いが、笑いを誘います。
ジャーナリズムへの皮肉と愛情
ゴシップを捏造する裏側を描きながら、報道とは何か、真実とは何かを問いかける内容。
シリアスになりすぎず、軽やかに描いているのが香港映画らしいポイント。
社会風刺を笑いに昇華
芸能界、報道、警察、一般市民……それぞれが少しずつデフォルメされつつもリアルに描かれ、
当時の香港社会の雰囲気をユーモラスに表現しています。
キャサリン・ハンの存在感
女優サンディ役のキャサリン・ハンは、ただの美人枠に留まらず、芯の強い一面を持つ女性像を好演。
ラストの展開に感情移入を引き起こします。
映画の個人的な感想
『フロント・ページ』は、香港コメディの王道にして、社会派エンタメとしても完成度が高い一作。
序盤はドタバタの連続で笑わせ、中盤から終盤にかけては人間ドラマとして
グッと深みを増していきます。
特にサミュエル・ホイ演じるビルの成長過程が印象的で、軽薄な男が人間としての良心に
目覚めていく姿に胸を打たれました。
ホイ三兄弟のコメディにしては珍しく、やや感動寄りな演出も多く、心に残る作品です。
情報過多の現代にこそ、改めて観ておきたい一作。
笑えて、考えさせられて、最後にちょっと泣ける――そんな映画を求める方におすすめです。
まとめ
『フロント・ページ』は、笑いと風刺、ヒューマンドラマが見事に融合した傑作コメディ。
ホイ三兄弟の魅力が全開で、香港映画ファンならずとも楽しめる内容になっています。
ジャーナリズムの倫理や芸能界の裏側といったテーマを軽快に描きつつ、
ラストには心が温かくなるような余韻も。
ぜひ映画予告編とともに、この香港の名作を楽しんでみてください。
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