札幌・ススキノのBARに、今日も探偵がいる。
前作で人気を博したハードボイルド探偵映画『探偵はBARにいる』の第2弾が、
さらなるパワーアップを遂げて帰ってきた。
『探偵はBARにいる2 ~ススキノ大交差点~』は、ただの続編ではない。
ススキノの夜に渦巻く陰謀、暴力、そして哀しみを描いた、男たちの友情と正義の物語だ。
Contents
主なスタッフとキャスト
監督:橋本一
(『相棒』シリーズや『駐在刑事』などで知られる、サスペンス演出の名手)
原作:東直己
「探偵はひとりぼっち」(ススキノ探偵シリーズ)
主なキャスト
大泉洋(探偵)
名前のない探偵役。前作よりもさらに渋みと哀愁をまとい、魅力倍増。
松田龍平(高田)
空手が得意な寡黙な相棒。どこか飄々とした佇まいが、探偵との名コンビぶりを発揮。
尾野真千子(河島弓子)
売れっ子バイオリニスト。表向きは美しいが、内面には大きな闇を抱えている。
ゴリ(マサコちゃん)
探偵の友人であるオカマ。彼の死が全ての事件の始まり。
渡部篤郎(橡脇孝一郎)
政財界に通じる謎の男。冷徹かつ威圧感のある演技が光る。
田口トモロヲ(松尾)、篠井英介(フローラ)
前作に続き登場するお馴染みのキャラも健在。
ストーリー概要
ススキノのBARで過ごす、いつもの探偵の日常。
ある日、親友であるオカマのマサコちゃんが何者かに殺害されたという報せが届く。
警察の対応は鈍く、事件の真相は闇の中。
探偵は相棒の高田とともに独自の調査を開始する。
やがて浮かび上がってくるのは、政界、裏社会、音楽業界といった
巨大な利権が絡み合った陰謀。
その中心には、美しきバイオリニスト河島弓子(尾野真千子)と、
札幌の影の支配者とも言える存在橡脇孝一郎(渡部篤郎)の姿が――。
暴力と知略が飛び交う中、探偵は孤独に、そして真っ直ぐに事件の核心に迫っていく。
映画の見どころ
① 前作よりも深く、濃密になったストーリー展開
第1作の軽快なテンポとコメディタッチに比べて、今作はよりシリアスで
重厚なサスペンスに仕上がっている。
「マサコちゃん殺人事件」をきっかけに、裏社会と政界の腐敗構造、
さらには表舞台に立つ女性の苦悩まで描き出す。
その中で、探偵が“正義”とは何かに悩みながらも、自分の信念に従って行動していく姿は、
非常に人間的で共感を呼ぶ。
② 大泉洋 × 松田龍平の名コンビが健在
飄々としているが芯の通った探偵(大泉洋)と、無口だけど頼れる高田(松田龍平)。
この2人の名コンビぶりは、前作以上の完成度を誇る。
ケンカのシーンでは相変わらず強すぎる高田が大活躍し、時には探偵を
お姫様抱っこするという名シーン(迷シーン?)も健在。
クスっと笑えるやりとりと、時折見せる友情の絆が、観る者の心を掴んで離さない。
③ 尾野真千子の怪演と存在感
ヒロイン・河島弓子を演じる尾野真千子が、とにかく強烈。
その美しさと、情緒不安定で何をしでかすかわからない危うさを見事に体現しており、
“ミステリアスな女”の象徴のようなキャラクターに仕上がっている。
観客も探偵と同じように「この人は敵なのか?味方なのか?」と振り回されることになる。
④ ススキノの街が持つ“もう一つの主役”感
前作に引き続き、札幌・ススキノの街並みがまるで登場人物のひとりかのように
存在感を放つ。
ネオン、雪、雑居ビル、路地裏――
都会の猥雑さと寂しさが共存するこの場所でこそ、この物語は生まれたのだと
思わせてくれるリアリティがある。
映画の個人的な感想
前作『探偵はBARにいる』を観て「面白い!」と思った方には、
今作はさらに深く突き刺さると思う。
まず物語がとても切ない。
マサコちゃんの死という悲劇を起点に、探偵が“誰かのために怒る”という
正義の姿が描かれており、その動機に説得力がある。
また、大泉洋が演じる探偵がどんどん“人間臭く”なっていく様子が素晴らしい。
酒に溺れ、理不尽に怒り、女に翻弄され、それでも真っ直ぐに前に進もうとする。
この泥臭さこそが、このシリーズの最大の魅力だと思う。
尾野真千子の演技に振り回されながら、ラストにはきっちりと“男の美学”を
見せてくれる展開には、観終わった後に静かな余韻が残った。
まとめ
『探偵はBARにいる2 ~ススキノ大交差点~』は、
「ハードボイルド」と「人間ドラマ」のちょうどいい交差点に立つ映画だ。
アクションだけではなく、ユーモアも、哀しみも、謎解きの楽しさもある。
それでいて、舞台は日本のどこかリアルで、冷たい夜の街・ススキノ。
探偵ものとしても、バディものとしても、男の生き様映画としても、実に完成度の高い一作。
ぜひ予告編を観てから、本編でじっくりこの世界観に浸ってみてほしい。
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