札幌・ススキノに、あの探偵が帰ってきた――。
人気シリーズ『探偵はBARにいる』の第3弾は、前2作に続き大泉洋と松田龍平の
名コンビが活躍。
しかし今回は、今まで以上にシリアスで切ない物語となっている。
シリーズファンにとってはまさに“別れと再出発”を象徴する一作。
この記事では、その魅力をたっぷりと紹介していこう。
Contents
主なスタッフとキャスト
監督:吉田照幸
(NHKドラマ『あまちゃん』や『サラリーマンNEO』などを手がけた映像センスの持ち主)
主なキャスト
大泉洋(探偵)
札幌・ススキノを根城にする“名前のない探偵”。
傷だらけでも依頼をやり抜く男気と、どこかユルさのあるキャラクター。
松田龍平(高田)
探偵の相棒にして最強の空手使い。今回、探偵の前に倒れるというまさかの展開に。
北川景子(岬マリ)
謎の多いモデル事務所オーナー。美しさの裏に悲しみを宿し、物語の鍵を握る女性。
前田敦子(諏訪麗子)
失踪した高田の後輩の恋人。事件の発端となる人物。
リリー・フランキー(北城仁也)
ススキノ裏社会を牛耳る冷酷な男。過去最悪の敵として探偵たちの前に立ちはだかる。
鈴木砂羽、田口トモロヲら、シリーズおなじみのキャストも健在。
ストーリー概要
ある日、探偵は高田の後輩から「恋人の麗子を探してほしい」との依頼を受ける。
いつものように軽いノリで引き受けたが、事態は思わぬ方向へと転がり始める。
手がかりを追う中で出会ったのが、モデル事務所のオーナー・岬マリ。
彼女にどこか既視感を覚える探偵は、深く関わっていくうちに次第に
過去のある出来事を思い出す。
一方、モデル事務所が売春組織に関わっていた疑惑、
そして裏社会のフィクサー・北城仁也の存在、
やがて事件は薬物取引や殺人事件へと繋がり、探偵自身も命を狙われることに。
「マリは、あの時の女だったのか?」
思い出と現実が交錯する中、探偵は岬マリから“最後の依頼”を受ける。
そして物語は、探偵と高田の別れのカウントダウンへ――。
映画の見どころ
① 大泉洋×松田龍平、円熟の名コンビ
3作目ともなると、探偵と高田の関係はもはや「言葉にせずとも通じ合う」域に
到達している。
笑える掛け合いも、緊迫のアクションも、すべてが自然で、まるで本物の相棒のようだ。
しかし今作では、その絆に“別れ”の影がちらつく。
特に高田が襲撃を受け、倒れるシーンは衝撃的で、これまでとは違う緊張感が全編に漂っている。
② 北川景子が魅せる“哀しみを抱えた女”
北川景子演じる岬マリは、これまでのシリーズにない**“純粋な哀しみ”を湛えたヒロイン。
強く、美しく、そしてどこか壊れそうな儚さ。
探偵の過去と現在に交錯し、観る者をも翻弄するキャラクターであり、
本作の感情的な軸を担っている。
彼女の存在が、この物語を単なる探偵アクションではなく、
切ない愛と贖罪の物語へと昇華させている。
③ 裏社会のリアルとシリーズ最高の緊張感
リリー・フランキー演じる北城仁也の存在感が圧倒的。
表の顔は紳士、裏の顔はサディスト――という冷酷な悪役は、
シリーズでも屈指のインパクトを残す。
彼の周囲で起こる薬物取引、脅迫、殺人などの描写も生々しく、
前2作以上にハードな展開。
ススキノの裏社会というロケーションが、よりリアルな重みを持って感じられる。
④ シリーズ完結編としての余韻
『探偵はBARにいる3』は、事実上のシリーズ完結編。
前作までの軽妙なノリは残しつつ、キャラクターたちの“変化”と“別れ”が
色濃く描かれている。
特に終盤の展開とラストシーンには、これまでシリーズを追ってきたファンほど
胸が締め付けられるはず。
映画の個人的な感想
正直に言えば、今作はシリーズ中でも最も好きな一本だ。
探偵という職業のかっこよさよりも、人間の“弱さ”や“哀しさ”に
寄り添ってくれる映画だった。
そして、大泉洋演じる探偵が、いつになく真剣な表情を見せるたびに、
「この男もまた、誰かを愛し、誰かに裏切られたんだな」と思わせてくれた。
また、北川景子の演技力が本当に素晴らしく、ラストの“依頼”シーンでは不覚にも涙。
映画の余韻としては、派手さよりも静かな感動が残る作品だった。
まとめ
『探偵はBARにいる3』は、単なる探偵シリーズの続編ではなく、
大人のハードボイルド・ラブストーリーとして完成された一本だ。
・探偵×相棒の友情
・探偵×ヒロインの淡い過去
・探偵×裏社会との戦い
どれもが交差し、ススキノの雪景色とともに切なさと情熱を映し出す。
シリーズ未見の方でも十分楽しめるが、1作目から順に観ることで、
より深く響く作品でもある。
大泉洋ファン、北川景子ファン、探偵モノ好きのあなたには、ぜひ観ていただきたい。
予告編を観たら、きっと“あのBAR”に行ってみたくなるはず――。
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