1991年に公開された香港映画の名作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明』
(原題:「黄飛鴻 Once Upon A Time In China」)。
監督はツイ・ハーク、主演はジェット・リー。中国映画史に名を刻む大ヒット作品であり、
のちにシリーズ化されるきっかけとなった記念すべき第1作です。
本作は、清朝末期の激動の時代を舞台に、伝説的な武術家ウォン・フェイホン(黄飛鴻)が、
愛国心と武術をもって外国勢力や地元の悪党たちに立ち向かう物語。
アクション映画としての迫力と、歴史的背景を重ねた重厚なストーリーが融合し、
公開から30年以上たった今でも語り継がれる一本です。
Contents
主なスタッフとキャスト
監督:ツイ・ハーク
ジェット・リー … ウォン・フェイホン(黄飛鴻)
ロザムンド・クワン … 十三姨(フェイホンの恋人)
ユン・ピョウ … リャン・フー(弟子の梁寛)
ジャッキー・チュン … ソー(暴牙蘇)
ケント・チェン … ウェン(林世栄)
ウー・マ
香港映画黄金期を支えた豪華キャストが勢ぞろいし、それぞれが見事にキャラクターを体現しています。
映画のあらすじ
物語の舞台は19世紀後半の清朝末期。
欧米列強との不平等条約によって国力を失った中国は、
植民地主義とアヘン戦争の影響で混乱の只中にありました。
そんな時代に、広州で民兵を率いて治安維持に努めるのが、
高名な武術家ウォン・フェイホン(ジェット・リー)。
彼は武術の達人でありながら、正義感と愛国心を胸に、
町の人々を守ろうと奮闘していました。
一方、港町では無法者のヤクザ集団・沙河一味が暗躍。
人身売買や暴力によって街を支配し、ついにはウォンをも狙い始めます。
ウォンの周囲には、彼を慕う弟子のリャン・フー(ユン・ピョウ)、
酒好きで食いしん坊の林世栄(ケント・チェン)、
そして西洋文化に関心を持つ美しい恋人・十三姨(ロザムンド・クワン)がいました。
しかし、彼らもまた時代の波に翻弄され、伝統と近代化、愛と義務の間で葛藤していくのです。
物語はやがて、ウォン・フェイホンと沙河一味との激突へ。
中国武術の精髄と、時代の変化を象徴する戦いが繰り広げられます。
映画の見どころ
ジェット・リーの圧倒的アクション
本作で主演を務めたジェット・リーは、当時まだ20代半ば。
若き日のキレのあるカンフーアクションは、まさに神業の連続です。
棒術や素手での格闘シーンは、観客を釘付けにする迫力。
ワイヤーアクションを駆使しながらも、彼の武術家としての実力が光り、
リアルな戦闘感を演出しています。
ツイ・ハーク監督の映像美
ツイ・ハークは「香港のスピルバーグ」とも呼ばれる名監督。
本作でも独特のカメラワークと壮大な演出で、時代背景をリアルかつダイナミックに描き出しました。
雨の中での戦いや、港でのクライマックスバトルは、香港映画史に残る名シーンです。
歴史とエンタメの融合
ただのアクション映画にとどまらず、西洋列強に翻弄される中国の姿を背景に描くことで、
映画に重厚なテーマ性が加わっています。
ウォン・フェイホンはただの武術家ではなく、民を守る「英雄」として描かれており、
観客に強いカタルシスを与えます。
ロザムンド・クワン演じる十三姨の存在
フェイホンの恋人役・十三姨は、伝統と西洋文化の間で揺れ動く象徴的なキャラクター。
西洋のドレスを身にまとい、写真や近代文明に興味を示す姿は、
中国が新しい時代に突入していくことを示唆しています。
彼女の可憐さと芯の強さは、物語にロマンスと深みを与えています。
サブキャラクターたちの魅力
ユン・ピョウ演じる弟子リャン・フーや、ケント・チェン演じる林世栄といった弟子たちの存在が、
物語にユーモアと人間味を加えています。
彼らのドジや失敗がシリアスな物語に緩急を与え、観客を飽きさせません。
個人的な感想
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明』は、
初めて観たときから圧倒されるスケールの大きさでした。
単なるカンフー映画を超え、歴史大河ドラマ的な深みを持ちながらも、
娯楽性をしっかり兼ね備えているところが素晴らしい。
特に印象に残ったのは、ジェット・リーの凛とした立ち居振る舞い。
武術の技だけでなく、正義を貫く姿勢そのものが観客を魅了します。
香港映画にありがちなドタバタ感よりも、むしろ堂々としたヒーロー像を確立した点で、
非常に意義のある作品だと感じました。
また、ロザムンド・クワンの存在感も見逃せません。
彼女の知的で可憐な魅力が、武骨な物語に柔らかさを添えており、
ラブストーリー的な側面でも楽しめます。
アクション映画が好きな人はもちろん、中国の歴史や文化に興味がある人にとっても見応え十分。
シリーズ第1作ということもあり、この後に続く『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ2』『3』へと
つながる壮大な物語の序章として必見の一本です。
まとめ
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明』は、
・ジェット・リーの若き日の神業アクション
・ツイ・ハーク監督の圧倒的な映像美
・歴史的背景とエンターテインメントの融合
が見事に調和した傑作です。
香港映画黄金期を代表する一本であり、今なお世界中のファンに愛され続けています。
もし未見なら、この機会にぜひ予告編からチェックしてみてください。
きっと「香港映画ってこんなに熱いのか!」と感じられるはずです。
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